監視していないと直ぐにサボる、と日本で働く中興人のイメージがあります。

私の場合、このイメージは、事実か否かではなく、偶然にも何人もの信頼に耐えうる人から

聞かされ、かつ、目の前で清掃の仕事を手抜きしながらやっている中国人を見て

やっぱりそうか・・・が積み重なってそうしたイメージが出来上がった。

先日、中国の技術者を何人もパートナーとして付き合ってきた社長と

その話題になった。

彼が言うには、サボる中国人は能力が高い。と断言したのには驚いた。

断言したのである。そればかりか、仕事している振りをして実はサボっている日本人の

ほうが、たちが悪いともいう。

正直驚き、カルチャーショックさえ感じてしまった。

そのように考えるに至った経緯を尋ねると、彼は答えてくれた。

私の言葉で要約すると

能力が高いから、意義や価値、目的が分からない仕事はサボるのだと。

そういえば、昔話を思い出した。

旅人が歩いていると大工さんが石を積んでいた。

旅人は尋ねた：「何をしているの？」
大工さんが答えた：「見りゃ分かるだろ、石を積んでるのさ」

暫く行くとまた大工さんが石を積んでいるところを通った

旅人は尋ねた：「何をしているの？」
大工さんが答えた：「立派な家を創るための基礎をつんでるのさ」

そして旅を続けると、また石を積んでいる大工さんに出会った。

旅人は尋ねた：「何をしているの？」
大工さんが答えた：「僕らは、立派な国を作っているんだ」って

同じ「石を積む」という一つの動作・作業を、どんな価値があるものとして
捉えるかによって、全く違ってくるというたとえ話として使われている。

話を元に戻そう。

サボる中国人は、もしかしたら雇用者側が、仕事の内容と一緒に意義や価値を
伝えていなかった結果ではないか？と思える。

生まれ育った国が違うから、価値観が違って当たり前です。しかし、根っこの部分は

みんな人や社会の役に立つことをしたいと思っています。

どのように会社・社会・お客様に役に立つのかがイメージできない内は

身が入らないものかも知れません。

サボる中国人は、実はとても賢くて、意義や価値を大切にする人ともいえます。