太陽熱発電、太陽光発電、風力発電、小容量水力発電、地熱発電

いずれも化石エネルギー以外の自然の持つ力を利用して電気エネルギー

を創造する「創エネ」である。個々の発電所は３KW～１００KWと小規模で

ある。

これに対して電力会社が行う商用の発電所は、大規模である。

例えば原子力発電所は１基で１,２５０，０００KWである。ゆえに低炭素社会を

目指そうとした場合、この大きさ、規模の差に目が行き原子力に転換をと

考えるのも無理は無いが、ところで建設～稼動までの期間はどうか。

ご承知の通り、原子力発電所の建設は容易なことではない。

これは原子力に限ったことではない。水力発電所も政権交代後に建設を

中止したダムを見ても分る。大規模は町を消してしまう。人々の思いを消し

てしまう。原子力発電ではそのほかに危険性もある。

どう考えてみても２０年～３０年、いやそれ以上掛かるかもしれない。

しかし、小規模とはいえ、小型で分散設置となれば、皆が発電所のオーナーだ。

先日、風力発電所について近隣住民から騒音の苦情が寄せられ、環境アセス

メントの対象にするとの新聞記事があった。これもその風力発電所が地域住民

のために、地域住民が出資しあって建設をしたものではないからである。

アメリカのテキサスで大規模な風力発電が群れになって建設されている。

地域住民の出資である。

彼らにとっては、風力発電から発生する風切り音が心地良いという。

それは、順調に発電をしていることを示す音であり、電気が売れて収入が

入る事を表す音として聞いているからである。

騒音という苦情も、本当の所は「煩わしい音」ではないか？

下手なバイオリンを聞かせれると「騒音苦情」となるが、その発生源が自分の

子供であれば「上達したね。頑張ってね」に変わる。

騒音公害を起こさない風力発電を作るにはプロペラを改良するより

地域住民に出資をして頂き、その地域で消費し、その利益が出資に応じて

配当される仕組みを作ればよいのではないか？

海外の風力発電所は、その多くが地元出資と聞く。

さあ、こうして日本各地で風力発電が建設されたら、きっと原子力発電や

ダムによる水力発電を建設するよりどれだけ早いか。

また、地域の経済にも寄与できる。太陽熱発電や太陽光発電も、一つ一つ

は小さいけれど、設置工事ができる業者が足らないほどの勢いで普及して

いると聞く。これが分散化の力である。小さくとも出来るところからドンドン

進む。大規模な商用電源はいつまで待っても動きが見えない。

着実にできるところから進む事は、日本のエネルギー自給率に影響する。

今後は、太陽熱温水器が１００倍のスピードで普及する事を期待する。

床暖房にも利用できるようになっている。太陽光発電ばかりでなく

太陽熱温水器も是非とも普及をして欲しいと願う。

どちらも太陽のエネルギーを受け止めて、化石エネルギーの使用を

少なくする事ができるものであるから。